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ペットボトルがあったから捨てようと思ったんだ。
中身は空だった。だから、捨てようと思った。
だが、、、、、、、捨てられなかったんだ。
その瞬間に、世界が破滅したんだ。
落とし穴のある地面を踏みしめたときのように、僕らの立っている地面が、前触れもなくいきなり下へ抜けたんだ。
とてつもない土埃を立てて、一気に底抜けた。
下には、とてつもなく大きい穴があった。とんでもないくらい深くて(永遠に底がない穴であることが、なぜか一目でわかった)、とっても暗い穴。
それまで地面の役割を果たしていた床は、無残にもボロボロに崩れて、その穴に落ちてしまった。
最初は僕は、地上に立っているかのような感覚が残っていたが、次の瞬間には重力を受けて降下していた。エレベーターが下に下がるときの、60倍くらいの強引さと速さと空気抵抗の威力を感じた。
ヒュン、と、落ちた。
なぜだろう・・・・・・。
その時僕は思ったんだ、、、、、
「なぜペットボトルを早く捨てておかなかったんだろう」、と。
僕の部屋にあるマンガや食器棚と共に、僕が捨てようとしたペットボトルが宙を舞って、下へ落ちていく。
思わず手を伸ばす。
しかし、すでに5メートルは距離があった。ペットボトルはそのまま、結婚指輪が落ちていくかのような情緒で、穴へ落ちて行った。
僕は思った。「何でだろう」
「何でいつも、僕は大切なものを手を伸ばして取ることができないんだろう!!!!!!!!!」
すると、体が上を向いた。空気抵抗だろうか。
さっき前触れもなく開いて僕の部屋を落とした、大きな穴がポッカリと開いていて、太陽に満ちた明るい曇り空が見えた。
たぶん、今日は雨が降らないだろう。
頭上の斜め上から、大きなものが迫ってくる気配がした。
「ドゴン」と、頭に衝撃があった。
衝撃の瞬間、僕の目は真っ暗になった。
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