harmony!

嫌いな自分を、嫌いなまま肯定してもらうためのメディアコンテンツ

ポップで面白いブログ

バイト先で、このブログのURLが出回った。

 

いつかバイト先の人たちにこのブログを見てもらおうかなあと、一年くらい前から思っていた。

でも、躊躇したり、タイミングを見逃しつづけたまま、見てもらうことを先延ばしにしていた。

 

最近、ある先輩にとうとうこのブログの存在を明かすと、あれよあれよという間に、ぼくがブログをやっていることが、職場中に流布されていった。

 

今日、ぼくが出勤すると、ちょうど、早番の人たちが仕事を終えて、帰るところだった。

 

しげる! ブログ見たよ!」

早番メンバーのうちの一人である、パートの明朗活発な主婦さんにそう言われた。

 

「最近上げてたやつ、最初の三行で『むずかしっ!』ってなって読むの止めた。しげるの文、難しい!」

主婦さんにクレームを入れられてしまった。

ぼくの本名は吉田和音(かずね)だが、バイト先では吉田茂首相から取って、なぜか ”しげる” と呼ばれている。

 

 

「そう! そう! 難しかった! もっとポップに書いてよ!」

二つ年下の、甘え上手の大学生が便乗して言った。この子はちょくちょくカンボジアまで行って、腹を下しながら子どもたちに英語を教えるボランティアをがんばっている。

 

一番最近上げた記事は、『現実よりも現実的な夢を追いたい』というタイトルの、哲学的な内容のやつだ。万人受けするわけがない。

「あ~、あれはムズいですよね~絶対!」

「そうなの! もっと面白いやつ書いてよ!」

「あはは、そうですね!」

 

「私のこと書いてよ! それなら読む!」

甘え上手の大学生が宣言した。

 

お二人がぼくのブログを読んで、三行で読むのをやめたのはウソではないだろう。

でも、もしぼくがポップな面白い文を書くことができたら、本当に、喜んで読んでもらえるような気がした。

 

二人は、ぼくの次のブログの更新を期待してくれているのかもしれない。

ポップなやつじゃなかったらけなすだろう。

次は三行どころか、二行も読んでくれないかもしれない。

でも、読んではくれるような気がした。

 

二人の、ぼくにちっとも気を遣ってくれないその態度が、爽やかな風みたいだった。

 

 

 

仕事の時間となって、早番の人たちは帰って行った。

 

ぼくは今日行うべき作業をこなしながら、これから先、ポップなブログが書けるかもしれないと思った。