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石川直樹さんについての考察 その1

 

 

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石川直樹さんという人物の才能について、いつも、考え込んでいます。

 


23歳にして、世界の七大陸の最高峰に登頂。

それより以前に、『Pole to Pole』というプロジェクトに参加して、北極から南極まで人力で移動してしまったのだという、その、行動力に加えて、たぶん、素晴らしい身体能力と、忍び耐えられる落ちつき。 『Pole to Pole』はさまざまな国からの参加者がある中での団体行動だし、世界の危険な山へ登るには、現地の公的機関での手続きが必要だったりする、、、、つまり、石川直樹さんは英語も堪能なわけです。

 


体を動かすことのできるだけの人かと思えば、東京芸大の院を卒業した写真家、エッセイスト。

民俗学に詳しく、それらの全てがないまぜになって、彼の独特な活動へと、その全てにおいて、ある種の一貫性が通底する。

 


この写真に写っている『最後の冒険家』という作品は、彼が神田道夫という気球界のエキスパートであるアマチュア冒険家の人と共に、太平洋を気球によって横断しようという無茶な冒険を行なって、そして、墜落して、海の真っ只中で死にそうな想いをしたエピソードが、何とも克明に語られていた。よくも、数々の冒険をこなしながら、こんな冷静な分析を可能とする思考力、文章力を鍛えたなあと思う。

 


ちなみに、『最後の冒険家』はノンフィクションとして素晴らしい申し分ない出来なので、開高健ノンフィクション賞をもらっています。

 

『全ての装備を知恵に置き換えること』というエッセイ集では、彼が中学生の頃、映画の影響を受けて海へ深く潜ることに執心して、独学でヨガなどに通ずる呼吸法を学んで、川下りに興味を覚えてカヌーの第一人者の人へ会いに行ったり・・・・・と、さまざまなことを自分から行なっていることがわかります。

 


高校時代にインド旅行を一人で行ってからは、価値観がそもそも崩壊してしまったようです。学校の束縛を屁とも感じなくなったとか。

 


もともと器用な人なのかはわからない。

 


しかし、なかなかここまで、やりたいことに向かってどんどん進めるものではないのではないでしょうか。

 


しかも、いかにも自分のやりたいことだけしかやらないで、いい年になっても遊び呆けてる・・・・・というタイプでは全くなく、むしろ、一つ一つに責任を背に抱えながら黙々と自分との会話を続け、旅の記録を写真に収めつつ、感じたことを豊かな学術的知見も交えて淡々と形容詞を省いた『事実』として書こうとする。

 


そして、それらの試みがかなり成功している。

 


夢を追って生きている人なのかもしれないが、夢を追おうと足を地面から浮かそうと漠然とした取り組みをし続けるのでは全くなくって、夢にまで続く、『たしかな現実』を常に見据えながら、淡々と歩いている、、、 そんな、印象があります。

 


自分のことを書くと、ぼくも石川直樹さんのように、世界中の大自然へと触れたい、最高峰を踏破したい、インドネシアで古来から続く伝統航海術の口伝を、現地の人から聞こうとするようなあらゆるしがらみを超えた他者との魂の交流をしたい・・・・・そして、彼のようにそれらの経験で得た知見を、文章などの形で世の中の人へと共有しようと思うし、それらを実現するために必要な技術を習得するバイタリティーは、責任感は、持ち合わせているつもりだ。

 


しかし、それがとても無理だということが、理屈ではなく、怖気付いているわけでもなく、ごく自然と納得している・・・・・悔しくも思うのですが、そうなのです。

 


ぼくも、石川直樹さんに負けず劣らずーーーーーいや、言わせて頂くならば、むしろ凌駕するほどではないかーーーーーーと思うほど、、、内向的な素質を持っていると自負しているのだが、ぼくの場合は、まず、自分の中から出られないまま、他人に挨拶するのだって、「声が小さくて聞こえない」と注意されるほどだし、彼のように、自分との会話を続けながら海へ素潜りをしたり、単独でアラスカの川を、1ヶ月もかけて下ったりなんてできないわけだ。

 


彼は、黙々と自分の中に潜ったまま、自分の外との交流を、すごく高いレベルで行えるのだろう。

訓練抜きに、そんなことができるようになったわけではないだろう。

しかし、たぶんぼくと彼とでは、訓練する前から、そもそものスタートラインにおいて、彼が良い位置にいたのだろう。

 


この、 "そもそも" 、 "もともと" の部分における、彼とぼくとの差に、ぼくは、興味があるわけである。

 

 

今日のところはここまで。

 

 

 

 

 

 

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