どうにもならない状況
小説を書いたところで、他者が、救われることはないだろうし、自分ですら、救われることがない。
そうして、他者が救われるとか、自分が救われるとか、そのような、あやふやな現象が起こったところで、果たして、人間の将来が、自然が、どうなるのかはわからないし、ぼくが救われたところで、世界は、そんなに感じることはないだろう。
そうして、ただ、それだけ。
日々の作業で、パンパンになっている人がいて、その人が、たとえ、ぼくの小説を手に取って、一生、パンパンではなくなるわけではないし、救われたと思えた束の間、さらに、辛い状況へと、追い込まれてしまうことだって、あるはずである。
そうして、ただ、それだけである。
大したことは、できないし、どうにもならない状況は、いつまで経っても、どうにもならないように思えてしまう。
そうして、ただ、それだけ………………。
そんな毎日を、だんだん、愛おしく思えている。